マネ オランピア ウルビノのヴィーナス
マネの有名なエッチング版画 オランピア付きの本 エドアール マネ デュレ著 100部限定 19世紀末 フランス
この本はNO.7で紹介しているルノアールの版画付きの本と同様の19世紀末から20世紀初頭にかけて流行した限定版豪華本のひとつです。マネのオリジナル エッチング版画が二枚ついています。マネは有名な絵であるオランピアを油彩とエッチングの両方で描きました。油彩の方はパリのオルセー美術館にあります。エッチングの方はもちろん世界に何枚も有りますが、その内の一つが下の写真のものです。もう一枚のエッチング いたずらっ子 もついています。この本は装丁されていません。従って本文の各ぺージはアンカットです。オランピアを理解するのには、いささかその背景を知る必要がありますから少し長く説明させていただきます。
命を起こした歴史的な一枚です。この絵の数年前にマネが描いた 草上の昼食 も非難されましたが、草上の昼食 はサロンには当選せず落選展での発表でしたので、オランピアほどのスキャンダルにはなりませんでした。このオランピアがあまりにも有名になったので、セザンヌでさえそれに便乗し、またいささか皮肉を込めてモデルヌ オランピアを描きました。ゴーギャン、ピカソもパロデイー化したオランピアを描いています。さてマネが描いた油彩とエッチングの二つのオランピアの内、この本に付いていて、下に紹介してあるのは、もちろんエッチングです。
↓マネのオリジナル エッチング オランピア 右下に足が見えるのは猫です。 よくご存知だと思いますが、この絵は有名なイタリア ルネッサンス期の画家ティツィアーノのウルビーノのヴィーナスの絵をヒントに描かれたものです。このヴィーナスの絵は現在フィレンツエのウィフィッチ美術館にあります。マネはイタリア旅行でこの絵をスケッチしました。マネ以前においては、女性をこの世のものとは思われない、天使の如く美しく理想的に描くのが常識で、それが絵画だと思われていました。マネはそれと異なりオランピアで生身の女性を描いたのですが、それはともかくサロンにオランピアの油彩は当選し展示されました。そのためパリでは誰でも知る大変なスキャンダルになりました。この絵を見るため、サロンにはあまりにも多数のパリ市民が殺到し、入場制限をせざるをえなく、絵を壊されないよう壁の最上部に展示したそうです。この絵は女性を理想的に描くのでなく、生身の現実そのものに描いたこと以外に、特にモデルがマネのお気に入りだったとはいえ、まだ少女のヴィクトリア ムーランであったこと、靴を履いてベッドにいること、首のリボン、右腕のブレスレット、花束を持った黒人の召使、足元の背中を丸めて怒っている黒猫がいることが非難されました。さて何故でしょうか。それはともかくマネはこれで、すっかり有名になりました。これは後でマネ自身が言っていることですが、マネが有名になるためにすべて計算ずくで、意図的にしたことだそうです。マネにとっては、大成功でした。いずれにしてもオランピアは絵画に革命を起こした歴史的な一枚です。この絵の数年前にマネが描いた 草上の昼食 も非難されましたが、草上の昼食 はサロンには当選せず落選展での発表でしたので、オランピアほどのスキャンダルにはなりませんでした。このオランピアがあまりにも有名になったので、セザンヌでさえそれに便乗し、またいささか皮肉を込めてモデルヌ オランピアを描きました。ゴーギャン、ピカソもパロデイー化したオランピアを描いています。さてマネが描いた油彩とエッチングの二つのオランピアの内、この本に付いていて、下に紹介してあるのは、もちろんエッチングです。
↓マネのオリジナル エッチング いたずらっ子 左下に見えるのは犬です この絵もかなり有名です
↓装丁されていない表紙