4. 本と絵と楽器と花について
本、絵、ハープ合計17枚の写真があるよ 全部見てね 文も面白いよ 
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写真が出るまで少しお待ち下さい

↑院内のハープ、バイオリン、ビオラ、チェロ、管楽器、琴 その他 ハープはこの下の 8-10枚目の写真にあります。 
 待合室は本と絵がいっぱいで、診察室は楽器がいっぱいの医院です。本は待合室を中心に約2500冊おいてあります。ほとんどあらゆる種類の本がありますが特に楽器、バイオリン、音楽、美術、動物(人間)行動学、歴史、文学、物理、料理、家庭の本が充実していると思います。探せば色々面白い本がありますから、本に興味ある患者さんは、時々借りていかれます。絵は西洋絵画が中心で待合室と診察室に計約30枚おいてあります。1908年の女性のポートレイトが目玉です。以下に8-9枚の例を示しますが、絵は実物を見てみないと写真では、わからないと思います。楽器は、ハープ、バイオリンが中心です。ダブルアクションぺダルハープの発明者であるエラールの製作した19世紀のぺダルハープもあります。ほぼ同じハープが武蔵野音楽大学の楽器博物館にもありますが、柱の彫刻は本当にすばらしいと思います。

↑花いっぱいのクリニックです サフィニア ペチュニア ブリエッタ キリンウェーブ キリン十ニひとえ ミリオンベル 薔薇 等があります。

↑このような美しい薔薇もあります


↑ イギリスのウイリアム モリスによるケルムスコットプレスの美本です サー イザムブラスが本の名前です モリスは絵画 文学 デザインと広範囲の芸術活動をしましたが美しい本の製作でも有名です この本の活字はチョーサー活字といいますが現在 大英博物館におさめられています 大きな装飾文字は木版です 左の木版の版画はバーンジョーンズです 1895    
 イギリスのラファエロ前派の有名な画家 ダンテ ガブリエル ロセッテイ はモリスの友人です ロセッテイはモリスの妻を好きになり深い関係になりました それは長いあいだ続きましたがモリスはロッセッテイを天才だと思っていましたからこれを黙認しました ロセッテイが描いている美人は、ほとんどすべて若くして亡くなったロセッテイの妻とモリスの妻です
  モリスのケルムスコットプレスの本の内 一番の大作はチョーサー著作集です これは上の写真の本に比べて大きさ二倍 ぺージ数二十倍の傑作です 紙(手漉き紙)とベラム(羊皮紙)のものがあり日本にも紙のものが8-9冊しかありません 本当かどうか判りませんが羊皮紙の本一冊作るのに羊が200頭必要だったとの事です(実際は子牛革から作ったベラムだと思います) そのためモリスは各方面から新聞雑誌により激しく非難されたそうです 羊皮紙のものは日本に一冊もありません 紙の本の最高のものは表紙がイギリス最高の製本家コブデンサンダーソンによる白豚皮のものです 白豚皮の表紙のものは世界に48冊しかありません これが東京大学の図書館にあります 東大がこのような気の利いた本を買うわけがありません。 東大の図書館の本は関東大震災ですべて焼けました。それに同情したイギリスの政府が東大に寄贈した多数の本のなかに含まれていました。白豚皮の表紙のチョーサー著作集はおそらく東大の持っている洋書の中では最も高価な本の一つでしょう。この表紙の本は長く東大にしかありませんでしたが、現在モリサワ コレクションと広島経済大学?にもあるようです 残念ながら上の写真の本はケルムスコットプレスの本には違いありませんが小さく、ぺージ数も少ない安物です
ケルムスコットプレスのチョーサー著作集の多数の写真のあるサイト→ここをクリック


↑谷間の百合 グワッシュ

↑清楚な美人の絵です 画家はバルザックの谷間の百合の主人公をイメージしてこの絵を描きました

↑ホテル リッツ(オテル リッツ パリ フランス) 板に油彩 1898

↑フランス パリ で最も有名で豪華なホテル リッツの中庭

↑浜辺の女 グワッシュ

↑浜辺で魚網を繕う若い女性を描いた絵です 少し悲しげでさみしそうに描かれています

↑先生のお気に入り  少しピンボケです 実物ははるかに良いです 画家はフランス人です 画家はこの絵を死ぬまで売らずにもっていました しかも絵はカンバスでなく一枚板に描いてあります 優れたポートレートは画家の才能と過去の訓練と美しいモデルとモデルに対する情熱と描く時の強大なエネルギーのどれが欠けても描けないものだと思います 少し憂いをおびた表情がなんともいえない魅力を感じます 油彩 1908 

↑モデルはMay Belfortと言うパリの踊り子でベビー服を着ています 彼女はいつもベビー服を着て舞台で踊っていました お客さんに多数来て欲しくて画家に宣伝ポスターを依頼しました モデルは若くしてなくなりました リトグラフ 1895

↑この版画の作者をご存知だとよいのですが トップぺージの水彩の猫と同じ作者です リトグラフ 1931

↑ダブルアクションぺダルハープ(全弦ぺダルで半音上下可能なハープ)の発明者であるエラールのぺダルハープの柱の頭部 46弦 ぺダル8本 19世紀製作 高さ179cm ほぼ同じものが武蔵野音楽大学の楽器博物館にあります 日本には2-3本くらいしかないと思います 5人の天使の彫刻がすばらしく、現代のハープにはこれほど細かい彫刻のハープはない様です 19世紀になるまでハ―プはシングルアクション(半音のみ上げられる)のものしかありませんでした しかしサロンでの演奏は可能でも、管弦楽は進歩しハープはオーケストラから締め出されそうでした シングルアクションの大改良者で実質的な発明者であるクルムホルツは心配しセバスチャン エラールに改良を依頼しました 有名なモーツアルトのオぺラ フィガロの結婚の脚本の著者ボーマルシェは極めて機械に詳しかったそうですがエラールに改良は不可能だと忠告したそうです それにもかかわらずエラールは改良を決意しましたが何年たっても完成しませんでした その間ルイ16世とマリーアントワネットに関係のあったエラールはフランス革命のため殺されそうになり劇的にパリを脱出しロンドンに逃げだしました ロンドンでも研究し十数年たって1811年やっと1500以上の部品からなるダブルアクションぺダルハープを完成しました 完成前の約三ヶ月は大きな研究室にとじこもりほとんど睡眠も食事もとらず風呂も入らず着替えもせず狂ったようだったそうです このハープは小さくサロン用の43弦のものです その後甥のピエール エラールと共にさらに十年以上研究を続け46弦のコンサート用のハープを完成しました 現代のぺダルハープは46弦が47弦になっただけでエラールのものとほとんどかわりありません エラールは現代のピアノの機構であるダブルエスケープメントを発明したのでも有名です この機構がなければ近代以後のピアノ曲の演奏は不可能です エラール以後フレームが木から金属に変わったくらいで ピアノの根本的な改良はありません。

 エラールは本当の天才でした。エラールとそのハープについて詳しく知りたい方は International Erard Society にアクセスして下さい。  ハープの非常に詳しい説明は14枚の写真つきで このホームページのサブページ    ハープの話 にありますからぜひとも見て下さい

↑エラールのハープの天使の拡大写真

↑イタリア ジェノバのサルビ製グランドハープ 型名ダイアナ サウンドボードはラウンデイッド 47弦 ぺダル7本 高さ 189cm  すばらしい音色のハープです サルビは現在世界で最も人気のあるハープメーカーです サルビのハ―プの彫刻は完全にハンドメイドで、どれも少しずつ異なりそれぞれのハープが世界でたったひとつのハープだといわれています     このほか青山のハープがあります
 エラール社は20世紀の初めにハープ部門もピアノ部門もつぶれてしまいました エラールの職人がアメリカに移民してシカゴでハープを作りました これがサルビと同様に有名なライオン アンド ヒーリー社です アメリカでは近年コンピュ―タ制御による工作機械による彫刻等が進みこれでハープを作ったかどうか判りませんが ライオン アンド ヒーリー社はサルビに吸収されてしまいました サルビはライオン アンド ヒ―リー社にいたイタリア系の職人がずっと昔にアメリカからイタリア ジェノバに戻って作ったメ―カ―です
 日本の青山も素晴らしいコンサートぺダルハープを作っておりサルビ ライオン アンド ヒ―リーに劣らないハープメーカーです 日本にあるコンサートぺダルハープのほとんどは上記3社のものです この他日本には主に学校用にアメリカ シカゴのヴィーナス社のぺダルハープが納められています ドイツの歴史あるホルンガッハー(以前はオーべルマイャー)のコンサ―トぺダルハ―プがごく少数日本に入ってきています 練習用でなくコンサート用のハープに限ればこのメーカーは注文が殺到しているにもかかわらず 年間18台程度しか作れず注文してから納入まで3年かかるそうです この他アメリカ ボストンのスワンソン、フランスのCamac イギリスのPilgrim ドイツのThurau以外に ロシアにニ社 チェコに一社メーカーがありますが日本にはほとんど入ってきていません 以上のハープの話はすべてぺダルハープの話です この他レバーハープ アイリッシュハープも小型で構造は簡単ですが人気があります ハープの詳しい説明は別のサブページ ハープのお話 をぜひご覧下さい さらにハープに興味のある方は ジャパン ハープ リンク にアクセスして見てください

↑ペダル ハープのペダル 7本有ります 3段に切り替えられます エラールのハープには真中に1本余分に合計8本のペダルがあります 余分のペダルは音質を変えるためのものです

↑オーストリアの画家の絵です 画家の名前は多分ご存知だと思います モデルはオーストリアで20世紀初頭に芸術家を保護したので有名なレスラー氏です 画家は通常強くデフォルメする人ですが、モデルがパトロンのためそれを抑えています しかし強い線のタッチが画家の特徴をよく示しています 画家は若くしてスぺイン風邪でなくなりました エッチング


↑やすらぎ

↑画家の若い時の作品です グワッシュ

↑本を読む女

↑清楚な感じが魅力です グワッシュ

↑帽子の女

↑少し気取ったところが面白いですね それにしても上手なデッサンだなあ

↑レデイ ぺネロぺ  イギリスの貴族の娘のポートレート  パステル 1928

 

 

 

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